バンダイホビーセンター見学①2012年01月28日 18時59分21秒


静岡出張の折、静岡が誇るものづくりの現場ということで、㈱バンダイホビー事業部が運営する、「バンダイホビーセンター」を見学した。

技術の進化発展、地球環境との共生、感動創造という3つのキーワードにより、バンダイさんの「MADE IN JAPAN」へのこだわりを見ることのできる施設です。ガンダムファンにはもちろん垂涎の聖地ですが、日本の製造業の強みを見せてくれるという意味では、ガンダム世代ではない大人にとっても見どころ沢山です。ちなみに私はファーストガンダムのど真ん中世代です^^;

仕事の訪問なので、真面目な感想を先に^^

何より驚いたのは、バンダイのプラモデルは、建物面積1500坪ほどのこの建物で、企画設計試作量産まで行われているので、本当にメイドインジャパンであるということ。電機や自動車、衣料などと違って市場も小さく製造量も少ないとはいえ、今や量販店で売っているおもちゃのほとんどがアジア諸国で生産されていることに鑑みると驚異的だ。コンテンツの部分とコアの生産技術が際立っているので成せる偉業だと思った。

企画設計で凄いと思ったのは、一つのプラモデルの全体の造形や量産部品に落とし込むための金型の設計までは、一人の担当者が一貫して担当しているということ。これにより市場に出回った商品の品質、消費者への対応も究極的にはその担当者が負うことができる。担当者は大変だとは思うが、モノ造りをする職人にとっては誇るべきこと、職人・マイスターの心意気が育つのではないかと思った。もちろん、昔は木型を削り込んだ職人仕事も、ITの力を借りてCADCAM+レーザー立体造形でスピーディーに行われる。

生産段階も設計段階に負けず劣らず高度化されている。30年弱前のプラモとは全く別物に進化した姿を目の当たりにした。バンダイホビーセンターだけの生産技術として、4色多色射出成型機が稼働しているということだ。昔のプラモの部品は当然単色のプラスチックで出来ていたけど、この工場では、一回のプラスチック射出成型に最大4色、しかも固さの異なる材料を投じることが出来る。 ガンダムはおおかた、白、赤、青、黄、の4色で出来ているので、塗装不要のプラモデルが一つの工程で出来るということ。

金型は当社にとっての大事な資産ですという説明も腑に落ちた。30年前からのプラモの金型が、工場の地下に全て保管されているとのこと。
精緻な造形と大量生産を橋渡しである金型を作る技術は、日本の製造業の宝ですね。

企画から製造まで、ITの力も借りて高度に進化したプラモデル製造の現場。バンダイさんの見せ方のうまさも相まって、大変勉強させていただきました。

バンダイホビーセンター見学②2012年01月28日 19時36分11秒



ホビーセンターのギャラリーには、バンダイが世に送り出した商品が年代別に並べられている。

アラフォーの世代が思わず群がったのは、当然ファーストガンダムの展示
ゴック、グフ、ガンキャノンの1/144プラモデル達。もう懐かしくて感動ものです。
真面目な先輩が「俺はやっぱりグフに登場するランバラル大尉の生きざまが好きだったね。」とか言い出しているし、みんな子供の頃に戻っている^^; 
私はカイシデンの斜に構えたキャラが好きでした。

個人的にさらに懐かしかったのは、ガンダムより前、宇宙戦艦ヤマトの戦艦シリーズ。よく近所の駄菓子屋で買っては組み立てていたのを思い出す。小学生のお小遣いでもなんとか購入できる値段設定だった。



展示室などを区切る自動ドアはサイド3など人口衛星都市の圧力隔壁室にあるようなデザイン。

業界最高峰の4色射出成型機は、明らかにホワイトベースを意識した機械の配置と塗装。もうホントハートを鷲掴みにされます。

オートメーション化された工場内の、集荷を行っている自動搬送ロボットの塗装は、シャア専用ザクそのもの。連邦軍に囲まれてジオン軍がうろうろ。

さらに、機械を管理している人間の社員さんの制服は、明らかに連邦軍の現場の人が来ている青地のもの。

見学ツアー全体を案内いただいた美しい女性社員さんの制服は、あのマチルダさんが着ていたベージュの色使い。おもわず「マチルダさ~ん」と叫びたくなります。

収益に貢献する、真面目な製造現場なのに、会社として遊び心を忘れず意匠を散りばめている。中で働いている人の職場へのロイヤリティは相当なものだろう。

ここを思い出しながら、30年ぶり位に、プラモデルを買ってみようかな。