理論政策更新研修in岐阜20132013年09月08日 14時59分26秒

岐阜県診断協会が主催した、診断士の資格更新研修を受講しました。

所属する大阪府協会であれば、平日も含めた複数の日程や講師から選択できるのですが、最初に診断士登録した支部であり、お世話になった岐阜勤務時代の先生方と旧交を温められる良い機会なので、毎年この時期、岐阜県庁近くのふれあい会館に足を運びます。
今年も、懐かしい方々と再会して、お互いの近況について情報交換して、来年の再会を約束しました^^。

大学教授による最新の中小企業政策の講義の後、岐阜支部ならではの、外部ゲスト講師による講義が聞きものです。

お一人目は、元川崎重工の研究者で、退職後は航空機産業を得意分野とした中小企業のアドバイザーを務めておられる田島暎久先生による、航空機産業の現状と中小企業参入支援の講義

モノづくり産業とはいえ、航空機の製造に関しては、岐阜勤務時代もなかなかお目にかかれるものではなかったので、業界の構造や特徴について、興味深く拝聴しました。

中小企業にとって、航空機産業に参入するネックは、技術的なハードルの高さも然ることながら、川上である航空会社、B社やA社などの機体メーカ、多段階の下請け構造の中で、リードタイムが極めて長く、回収は極めて後よりだということ。よほどの財政基盤がないと参入出来ないとのこと、なかなか難しいです。 しかし、圧倒的な受注残高が業界に存在している活況、非常に魅力的な産業であり、一部機体の点検用の道具などの納入実績は、先生のマッチングなどで実現されているとのことでした。

お二人目は㈱デリカスイトの創業者堀富士夫会長。東海のスーパーや百貨店では頻繁に目にする美濃味匠の惣菜製造小売りを核として、広く食品全般に多角化している年商70億規模の企業です。岐阜経済大学にも深く関わられ、販売士取得や大学院にも通われるなど、理論と実践をバランスしておられる、バイタリティあふれる方でした。

関西ではあまりなじみのない企業ですが、倒産した大阪駅駅弁の水了軒の商標権を取得してブランド存続に寄与した方、と聞けば、ああ!あの会社か!と思われるでしょう。

事業展開や学びへの姿勢、ご子息を亡くされた悲しみを乗り越えられた末にたどり着いた感謝の心の話など、色々ありがたい話がありましたが、一番興味を引いたのは、大垣商工会議所交流産業委員長を務めておられるにも関係する、大垣市の市街地再生地域づくりの話でした。

奥の細道結びの地であり、優秀な企業、潤沢な経営資源、地域資源が沢山あるが、全国的な知名度は低い(S君、ゴメン!)大垣。
グローバルな成長や競争を志向するのではなく、「郷土力」を育んで地域内の再投資を活性化させ、地域の持続的成長力を維持するという考え方には、共感できました。

大垣って、凄く魅力的な街なんだと、岐阜勤務していたにもかかわらず、今頃気づきました。滋賀の街々もいろいろ参考にしていかなくては。

素晴らしい講師の方を手配をいただいて、実りある研修にしていただいた、岐阜県中小企業診断士協会の役員の先生方、有難うございました。