夏旅行富士登山5合目~7合目2011年08月17日 19時28分07秒

LONGファミリーの夏旅行
子供たちに何かしらの本物っぽい経験をさせたい。ということで
毎年、色々嫁さんと企画を練ってきた。
家族にとって大事な行事だ。

今年は、10数年前、結婚前に二人で挑戦した思い出の富士登山にした。
当時はまだ若かったので(汗)、早朝から登って、夕方下りてきた
強行軍だった。

さすがに子供たちにはキツイだろう
ということで一般的なプランの、途中の山小屋で仮泊して、頂上で
ご来光を拝むというスケジュールで出発した。


早朝、彦根を出発して、渋滞を幾度も乗り越え、たどり着いた、
富士山南側に位置する、富士宮口の登山道
遥かそびえる山頂の景色に家族のテンションも上がる。
日も傾きかける、4時前に5合目から登り始める。


登り始めて6合目に至るまで、裾野に通り雨が降っているからか、
何度も虹がかかった。
樹海から垂直に立ちあがる虹には、子供たちも感激していた。


6合目から、7合目に至る頃、西日に照らされた東京方面の稜線には
うっすらと富士山の影が映し出された。
天候も安定していて、ここまでの登山は順調そのもの、
景色も存分に楽しめた。

予定通り、6時前には7合目の御来光山荘に到着し、
山小屋での仮泊となる。

山小屋のスタッフの方々はとても親切で、対応も丁寧だった。
若いバイトの方がブログやツイッターを積極的にされていて、
雰囲気は事前に知ることが出来たのが良かった。
実際会ってみると期待以上のいい人たち!
山が好きな気持ちが伝わってくる。いい人達だった。

その一方

残念だったのは宿泊者の方にとても権利意識の強い人物がいたこと。
地上のビジネスホテル並みの対応をバイトの若い人に求め、
カネを払っているのだから、相応のサービスはしてもらうという
態度で通していたことだ。高圧的に山人に接する父を見て、彼の息子は
「お父さんかっこいい」とでも思ったのだろうか。

寝床を用意してもらって、飯を出してもらって、
全く「感謝の言葉」を口にしない大人を見て
悲しい気持ちになった。

もし、天候が荒れればそれこそ命を救ってもらう場所になる山小屋なのに。。。
「お客様って、そんなに偉いのか?」
最近、いろいろあったので、高度2700mの夜、いろいろ考えさせられました。

子供たちは、キャンプのような狭い寝床で、興奮しながらも翌朝早朝にそなえ
就寝しました。



富士登山7合目~…2011年08月17日 22時33分17秒


7合目、南斜面で過ごす夜、

7時ごろ月が昇り始め、眼下の雲海を照らしたので、
この世のものとは思えない、絶景が広がった。

コンパクトデジカメではなかなか捉えづらい情景だけど
色々モードをいじくって、30秒露光にすると、何とか雰囲気を
写すことができた。

一面の雲海が白く照らされ、隙間からふもとの街明かりが見える。
山肌には夜間登山者のライト

ペルセウス座流星群にもかぶっているので、子供たちはいくつか流れ星を
見ることもできたようだ。

0:30ごろ、目覚ましを鳴らして、5時ごろ山頂に着くための登山準備を
始める。これが地獄の始まりだった。

全員準備して、さあ登ろうというとき、小二の次男が、突然スイッチが切れたように
床に寝そべり、「お腹がすいた~。」「眠い~。」と立ち上がれない
顔面蒼白で唇が紫… 寝ている間に高山病にかかったようだ。

ゆっくり準備して、低めの標高で仮眠したにもかかわらず、だ。
しかし無理なものは無理。上の子二人は登りたそうだったけど
再び仮眠をとることにした。御来光を7合目で迎えて、
回復したらそこから頂上を目指そうという計画に変更した。

4時半ごろ、薄明かりの中を再度出発しようとすると、今度は
小五の長男が全く同じ症状でへたり込んだ。
その様子を見て、次男も再び思い出したように倒れる。。。

次々倒れる子供たちを前に、親二人はなすすべなし…
胃が空っぽになるまで戻し続ける二人を必死で介抱するだけだった。

一度発症すると、酸素吸入も効果なし…
何とか、寝静まってくれたものの、これ以上の登山は諦めるしかなかった。

仕方ない、7合目の御来光だけは眺めて下りようということになった。

白んでいく空、東には沈みかける月が青白い光を放っている。

そして、日の出
7合目の山荘から少し脇に登った尾根は絶好の御来光スポットになっている。



雲の下から現れた太陽にお願いしたことは、
何とかこの後無事に下山させてくださいということだけ。。。

結局仮泊するだけだったはずの山小屋に、12時間以上滞在して
子供たちの顔色が少し戻ってきた10時ごろから下山を始めて
何とか、5合目まで下り着き、下界まで戻ってくることが出来た。

無事に下山することが登山の最大の成果だろうと思うので、
この夏は7合目までということで、諦めることにしよう。

このままでは悔しいので、親の体力があるうちに
再度、山頂に挑戦したいねという話になった(親だけ)

しかし、高山病おそるべし。
一気に登れば当然発症のリスクは高まるけど
山人によると、仮眠で寝ている間に酸欠になっていくこともあるそうだ、
どうやっても発症する症状をうまく防ぐ手だてがあるのかどうか、、、
次回の挑戦までに、なんとか考えることとしよう。