2012夏休み富士登山2012年08月14日 17時09分24秒



昨年夏のリベンジを果たすべく、今年もお盆に富士登山に挑戦

標高の高い所で、仮眠して長い時間を過ごすと子供が高山病になるリスクが高まるという昨年の反省を踏まえ、早朝から一気に登りきる計画としました。

ペンションで3時に起床・移動し、マイカー規制のかかる富士宮口、水ヶ塚駐車場に車を止め、5合目までタクシーで登る。

(今回、富士登山のベースとして利用した十里木高原のペンション「砂時計」さんは、富士宮口にアクセスが良く、オーナーご夫妻の細やかな心遣いも嬉しい、素敵な宿でした。登山前後、イレギュラーな時間にも色々合わせていただき、感謝です。)

うねうねと登山口まで登るみちすがら、運転手さんによるとちょうど昨日、富士登山を1000回達成したつわものがいたとの話。
一回登りきるだけでも2年越しなのに、凄い人がいるものだ。

午前5時半、5合目から登山を始める。前日までの天気予報は嬉しい位にはずれ、まずまずの好天となった。LONGファミリー本当にツイテマス。

昨年、高山病で子供達が倒れた新7合目までは、知っている山道なのでスイスイと登る。まだ、子供達も余裕の表情だ。


7合目まで辿りつき、やや疲れが見え始めたものの、気持ちを楽にする意味で早めの酸素缶使用。弟をしっかりケアしてくれています。普段は弟に厳しい兄も、いざという時には優しくなれました。


それでも、8合目あたりで次男が高山病発症。吐き気とだるさに苦しみ始める。子供の富士登山の壁はこのあたりにあるようだ。
何度も励ましながら、登らせるものの、症状はキツイ二日酔いそのもの。少し登ってはうずくまり、吐いてはまた登りの繰り返し。もうだめか・まだいけるか。逡巡する。
顔色はまだよいのでなんとか登山を続行する。


途中、子供をおぶって、登ったり、必死の登山を続け、9合目まで到着。
ここまで来て下山するのはもったいないと、既に折れている心をつなぎとめ、山頂を目指す。しかし体は言うことを聞かず、何度も倒れ込む。


9.5合を越え、いよいよ山頂の鳥居へ向かう。ここまで来ると誰も弱音を吐かず、眼下の雲海や溶岩の絶壁、万年雪の雪渓を見ながら登る。


そして、15時過ぎ、ついに山頂に到着。10時間弱かかっているので、標準の所要時間よりは3時間程度遅い登頂だ。それだけ苦しみながらも達成した子供たちを、富士山頂の威容が晴天で迎えてくれました。


当然お鉢巡りをする時間も体力も残されていないので、下山を始める。
事前に調べて、人気のある下山ルート御殿場口に向かう。宝永山の火口に広がる細かい砂礫の下山道大砂走りを楽しむつもりだった。


しかし、これが地獄の始まりだった。どうしても今年こそ登頂したいということばかりに気が行ってしまい、下山する体力や時間を甘く見ていた。
何人かの人に出発前言われた「引き返す勇気。」
晴天だったことや9合目辺りで子供が復活したことで、ついつい無理をしてしまったということだ。

下山を始め、7合目までの下りが思いのほか長く、なかなか下ることが出来ない。高山病の症状も収まらず、子供達3人ともうずくまって休憩する時間が長く、日がだんだん陰ってくる。

ようやく砂走りに到着、足腰が元気であれば、ここから5合目まで、スイスイと飛ぶように下ることが出来るはずだった。
高度が低くなってきたので男の子二人は、それこそ宙を舞うように楽しんで下りていくが、女性陣の膝が既に悲鳴を上げていたので、ペースは上がらない。



体力がどんどん低下して、日も傾き、ついに辺りが暗闇に包まれる。
御殿場口は登山者が少ないので、どこへ向かって下りればいいのかもわからない。月も出ていないので、家族とはぐれたら遭難だ。身の危険を感じるが、懐中電灯を用意していない。

ここで、家族を救ってくれたのは、スマートフォンと予備のバッテリ―。急ぎ懐中電灯のアプリをダウンロードして使用すると、なかなかの明るさで、とりあえず遭難の危機は回避できた。お互い声を掛け合いながら、麓にみえる駐車場の明りまでゆっくりと下りていく。

日が落ちで満点の星空が広がると、普段なかなか見ることの出来ない天の川が天頂にかかり、ちょうど流星群なので沢山の流れ星をみることが出来た。もう少し体力と気持ちに余裕があればもっと楽しむことが出来ただろうけど。。。

なんとか21時に麓の山小屋に到着。タクシーを呼んで水ヶ塚まで戻り、ペンション砂時計まで帰りつくことが出来た。想定より4時間も遅い帰着だったけど、無事で良かった。食事の時間には間に合わなかったものの、特別にこしらえていただいたおにぎりの美味しかったこと! 体に沁み渡り、生き返りました。

最後はヒヤヒヤものだったけど、自力で日本一の山に登りきったことは子供達には、自信や思い出になってくれると良いと思う。「苦しくて、楽しくはなかったけど、登れたことは嬉しかった。」と息子たち。本当によく頑張りました。

二年越しの富士登山の夢が果たせて本当に良かった。
子供達が大きくなってきたので、だんだん家族旅行をすることが難しくなる年次にさしかかってきた。7年前も、山の旅行で始まったこのブログ。一つ区切りの思い出が出来た。